8mmフィルム用ノイズリデューサの説明 (本格テレシネ) 「思い出の再生工房」の ホーム へ
画面全体に非常に低いレベルのランダムなノイズが存在しています。原因は電子回路を構成する 電気部品から発生する場合、外部から混入する場合等があります。映画用フィルムの場合フィルム特有の 粒状性ノイズが存在します。これらを取り除くことを目的にした機能をノイズリデューサと呼びます。
コマの映像に対して前のコマの映像と比較演算し変化のある部分を検出します。変化のある部分は動画部 とノイズ部の合成された部分です。この中から更に動画成分を分離し、現在のコマからマイナスすることにより ノイズを低減させることが出来ます。最近のデジタル家電に含まれているノイズリデューサも同様な考え方で 実現されています。
テレビ用機材は当然のことですがテレビ信号の仕様に則って動作いたします。放送用機材のノイズリデュ ーサの演算は現在のフレームと前のフレーム間によって行われます。(テレビは1秒間に30枚の映像によって 構成され、この1枚をフレームと呼びさらにフレームは2枚のフィールドによって構成されてます)
6枚分のフレームには前のフレームに割り当てられたコマ映像を2度使用することによって30フレームのテレビ 信号に置き換えます。(これをプルダウン方式と呼びます)したがってフレーム間演算でノイズが検出できない フレームが1秒間で6フレーム存在することになってしまいます。 (正確に言うとフレーム巡回方式のため 6フレーム分内も若干検出できるのですがわかり易くするためにこのように説明させていただきます)
と差分が少ないため、若干効果が下がる程度で問題なしとしています。しかし8mmフィルムのコマ数は18コマ 以下と少ないためノイズとして検出されないフレームの視覚的影響は無視できなくなり、結果的にほとんど 効果が得られないことになります。 したがって、フィルムの粒状性ノイズを減少させるには理論的にも現実的 にもコマ間の演算でなければならないのです。 商品化されている放送用機材に含まれてるノイズリデューサでコマ間演算を行っているものはありません。 実現させるには自ら製作するしか方法はありません。
一度テレビ信号に変換された情報から18コマ以下のコマ情報に再変換することはほぼ不可能といえます。 つまり、テレビカメラで撮影された後でコマ間演算のノイズリデュースを行うことは現実的には出来ません。 しかし、「思い出の再生工房」のシステムではテレビカメラをテレビ信号としてではなく、連続した18枚/秒 (又は16枚、24枚)の静止画のスキャナーとして使用し、画像処理部でフレーム変換を行っているため 正確なコマ情報が存在しております。フィルム用ノイズリデューサとして理論的に正しい「コマ間演算」による ノイズリデューサはこのような環境で構築され実現されました。 ノイズリデューサを実現させることが出来ました。
在阪のキー局、準キー局の合計10局中7局で採用、日本を代表する大手フィルムプロダクション2社に 採用されていました。また、大手放送機器メーカ「 I 社」のテレシネカメラシステムのオプションとしても供給 されていました。
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