「思い出の再生工房」のシステムを紹介します(本格テレシネ)          ホーム  ホーム

 8mm映写機、それは人間の目の特性を利用した仕組みによって1秒に18枚(又は16枚、24枚)

  の静止画像をスクリーンに連続的に映し動画として再現させる機械です。


テレビ撮影用映写機は人間の目とは異なる特性を持つテレビカメラが対象になるので自ずと仕組み

  は異なります。


  しかし、テレビ撮影用映写機は特別に作られたものであり、容易に購入できるものではありません。

 8mmフィルムのビデオ変換を行っている業者、お店の中には一般的な映写機を使用し、映写速度と

 カメラのシャッタースピードをコントロールする方法でビデオ変換している所も少なくありません。もちろん

 この方法でもあるレベルまでは目的を達成していますが本来の形ではありません。


 8mmフィルムの情報は単なる動画像という事ではなく「その時」の時間の流れ、空気の流れまでも納め

 られた大事な情報なのです。したがってこれを再現させるための映写機は正確に18コマ/秒(または

 16コマ/秒、24コマ/秒)の動作が行われ、且つテレビ信号に同期し、正確に60フィールド/秒に割り

 当てられなければなりません。このような映写機で再現された映像は、例えば映し出された人のちょっと

 したしぐさの俊敏さ、ゆったり感、その人が持っている独自の「間」がその時のその人そのものであり、

 まさしく「時間の流れの再現」であり、「思い出の再生」になるのです。

 「時間の流れのスムーズで正確な再現」これが「思い出の再生工房」テレシネシステムの考えです。


  「思い出の再生工房」のシステムは特別製作品です。8mmフィルム用映写機は既に製造されて

 いませんから 中古品を集めデジタル制御モータに交換し使用しています。(中古品とはいっても美品

 ぞろいです) 

  画像処理部は入出力をプロ用規格である「SDI」仕様を採用し量子化10ビットで処理されています。

 処理内容も実際に業務用テレシネシステムで使用されている機能と、新たに開発された機能で構成

 されています。放送用素材を制作するフィルムプロダクションの各種デジタル画像処理装置を開発して

 きた経験と実績で製作いたしました。


機能紹介

1 映像取り込み

  レギュラー8方式では16コマ/秒、スーパー8、シングル8方式では18コマ/または24コマ/秒で

 動作しています。テレビ信号は60フィールド/秒である為、レギュラー8ではテレビ30フィールドに対し

 8コマ、スーパー8シングル8ではテレビ10フィールドで3コマまたは4コマの割合で確実に動作されなければ

 なりません。映写機(以降プロジェクタとします)はテレビカメラから出力されているデジタルテレビ信号から

 作られたパルスによって上記の割合になるスピードでモータを駆動します。つまりプロジェクタはテレビ信号

 によってコントロールされ同期して動作していることになります。


  テレビカメラはプロジェクタから16枚(または18枚、24枚)の連続した静止画をサンプルする

 スキャナーとしての動作を行います。連続した静止画は画像処理装置の中でフィールドメモリーを駆使し

 正確に60フィールドのテレビ信号に変換されます。放送用で使用される16mm、35mmフィルムは

 24コマ/秒仕様であり多くの業者は同様の動作を機械式2−3プルダウン方式で行っています。

 簡単に説明しますと、シングル8方式の24コマではテレビの60フィールド(30フレーム)に割り当てる

 とき足らない12フィールド(6フレーム)分には直前のコマ映像を繰り返して使用することになります。

 同様に16コマ、18コマ仕様 では28フィールド、24フィールドが同じコマ映像を繰り返し割り当てられる

 という方式になります。

 これを多くのプロ業者では機械動作の上で実現させております。

 「思い出の再生工房」では連続した静止画像から動画像に変換する電子式プルダウン方式で

 行っております。

  「思い出の再生工房」では更にこの動作をデジタル信号化した後で12〜28フィールドに割り当てる

 映像を前後のコマ映像から演算し、新たな映像を作り出し埋め込むインターリーブ方式を開発しました。


 
インターリーブ方式とは内挿される新しい画像に適度な残像効果を持たせより自然な感じを持たせる

 技術です。

 その結果、フィルム特有のガクガクした動きが緩和されスムーズな動きで見ることが出来、よりリアルな

 映像を提供できることに成功いたしました。

 

 
 
 『思い出の再生工房」では基本的にはプルダウン方式でテレシネ作業を行っております。お客様の

 ご希望によりインターリーブ方式による作業を受け付けております。

 


2 画像処理装置その他の機能

  入出力信号はデジタルコンポーネント信号によって最良の画質で前後の機器に接続されます。

 16mmフィルムビデオ変換を考慮し放送局レベルのテレビカメラのデジタル出力に直接接続できるように

 設計されています。 プロのシステムにそのまま接続しても使用できる内容です。

 

1) ノイズ・リデュース機能

  フィルム特有の粒状性ノイズを低減させます。粒状性ノイズのパターンが各コマごとに異なる特徴を

 利用し前コマの映像信号と演算を行い、静止部分を除いた信号から動き部分とノイズを分離し

 処理を行います。この機能は画質に厳しい目をもったプロの放送技術者に認められた技術で多くの

 放送局、フィルムプロダクションで採用されコマーシャルフィルム、時代劇、アニメーション映像で

 使用されていました。「思い出の再生工房」の技術者の実績のひとつです。

 「思い出の再生工房」ではこの技術を8mmフィルム用に適したアルゴリズムに改良しました。その結果、

 粒状性ノイズの影響によるざらつき感が無く、また全周波数帯域に亘り効果が発揮されるためコマ間の

 明るさのばらつきも抑えられ、非常にしっとりとした映像を提供することが可能になりました。

 8mmフィルムの映像に見慣れている人には新鮮な驚きを感じることでしょう!

 技術の詳細はこちら


) エンハンサー機能

  テレビ受像機でいう画質調整、またはシャープネスと呼ばれる機能です。テレビ受像機では水平方向

 のみの調整ですが当装置では垂直方向にも行なっており縦横バランスの良い画質調整が行なわれて

 います。地上波放送で初めてハイビジョンで収録された「知床」の映像を放映したとき使用された

 NTSC方式変換装置で初めてデジタル方式によるこの技術を使ってから、放送局用クリアービジョン

 画像改善装置(P1)へと 我が工房の技術者が担当していた伝統的な技術です。

3) シェーディング補正機能

  プロジェクタのランプは基本的に点光源である為、画面全体一様に同じ明るさにはならず中心部に

 対して周辺部は暗くなります。この現象を改善させる技術をシェーディング補正といいます。映像中心

 部の明るさはそのままにし、周辺に行くにしたがって自然なカーブで徐々に増幅度を上げ、画面四隅

 の暗い部分を改善させます。送出側(放送局)で行なっている技術をデジタル化して提供しております。

) ブラック・ストレッチ機能

  フィルムとテレビの特性の違いに暗部の解像度があります。フィルム映像をテレビ映像に変換すると

 暗い部分がつぶれてしまい暗部の表現力が著しく低下します。これを改善する為にブラックストレッチ

 機能があり、暗部の解像度を上げ、表現力を改善させます。


5) 輝度・色差信号調整機能

  当装置で扱われている信号形式はコンポーネント方式といい、明るさ情報であるY信号(輝度信号)

 と色情報のR-Y信号、B-Y信号(色差信号)の3つの信号で構成されています。輝度信号に対して

 コントラスト調整、ブライトネス調整を行い色差信号に対しては色濃度調整を行います。特にY信号の

 調整は撮影時の状況による暗い画面の修正に発揮されます。


3 ダスト・リデュース機能

  フィルムに付着したゴミ、塵は画面上に黒い斑点ノイズとして現れます。長年にわたり付着していた

 ゴミ、塵はフィルムにこびりついてしまったものもありますが、空気を吹き付ければ飛び散るゴミ、塵も

 あります。「思い出の再生工房」のプロジェクタには映写窓に入る直前でフィルムの両面に静電気を

 除去する為のイオンを含んだ空気を吹き付ける構造を持つています。この機能によって可能な限りの

 ゴミ、塵を取り除き画面に現れる不快な黒い斑点を極力抑えます。システムは空気清浄機が取り付

 けられ密閉された「テレシネブース」内に設置され新たなゴミ、塵の付着を防いでいます。

 この機能はオプションとなっております。ご指定があった場合のみ設定いたします。


*「2−3プルダウン方式」とは

  映画やコーマーシャルフィルムでは24コマ/秒が使用されています。これをテレビ信号に変換するとき

  一番滑らかな動作が得られる方式です。

  24:60は2:5です。つまり2コマを5フィールドにより均等に割り振ります。始めのコマを2フィールド、

  次のコマを3フィールドとなり、この関係を繰り返します。これが2−3プルダウン方式です。

 

  8mmフィルムの場合、シングル8では18コマ/秒です。

  18:60は3:10で3コマを10フィールドに割り振ります。

  3コマは、3フィールド-3フィールド−4フィールドとなり、3−3−4プルダウンです。

  ダブル8(レギュラー8)は16コマ/秒ですから、16:60は4:15で4コマを15フィールドに割り振ります。

  3フィールド−4フィールド-4フィールド-4フィールドとなり、3−4−4−4プルダウンです。

 

  各数字をご覧になって気づくと思いますが、1コマで3フィールドに割り当てられることがあります。

  つまり、1フレームのなかに2コマに映像が存在することがあります。

  フレーム単位で変換すると、1フレーム内には1コマしか存在せず、結果的にぎこちない動きになります。

  一部の業者さんではフレーム単位で変換されている場合もあるようですが、これはプロの世界では

  絶対にありえないことです。

 

  フレームとは奇数フィールドと偶数フィールドの2枚のフィールドで構成されています。フィールド単位で

  割り当てられた方式こそが、放送局レベルの技術です。昔からある技術でこれ以上の方式は無いと

  断言いたします!


 ** 「思い出の再生工房」保有映写機一覧 **

 8mmフィルム用映写機

  1 GPD(Hiデラックス含む) 5台

  2 SC18           4台

  3 ST1200         1台

  4 ST1200HD       2台

  5 SH30           2台

 16mmフィルム用映写機

  1 SSL−0         1台

  2 SSL−1         1台

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